PRIORITÉ. Paris というオンラインジュエリーブティックを開きます。

15歳の春、単身でフランスへ渡って以来、私はヨーロッパの多様な文化や豊かな芸術的表現に夢中になりました。

ケータイやパソコンも当時(16年前) は持っておらず、パリという地名しか知らない無防備な状態で初めてパリを訪れました。
周りの目を気にせずに好き勝手に生きている自由な人々、そして同じ素材、企画でつくられた一貫性があるオスマニアン建築の美しさに圧倒されました。

パリは美しいだけでなく、常に危険があり、不潔で、知らない人へは冷たいという一面もありましたが、15歳の私はその美しく冷酷な街の沼にハマりました。

何が良くて、何が真実で正義なのか。同じ先進国でありながらジャングルのように無秩序なこの国で生きて行くために、必死に言語を習得し、人を理解すべく文化に触れました。

それ以来、パリが15歳の私の心を鷲掴みしたように、何が人の心を魅了するのかをプロダクトやサービスの観点から探究してきました。

32 歳になった今、幾つかのグローバルブランドのマーケティングの領域を横断してきましたが、私は依然として自分の実存的な問いに対する答えを追い求めていることに気づきました。

デザイン、職人技術、ブランドの威信、歴史。複合的な要素が合わさってデザイアビリティが生まれていることは間違いまりません。
しかし私にとって、そのプロダクトやブランドの魅力はアーティスト自身のユニークな物語にあります。
私は彼らの作品に込められた個性的な精神、創造的なインスピレーション、そして本質的な人間性に惹かれます。

世界的に有名なコマーシャルなブランドであれ、職人技を駆使した質素な作品であれ、私はアーティストの信念と人間性を真に伝えるアナログの工芸品に本能的に惹かれるのです。

どのような思いでこの作品が誕生したのか実際にアーティストから聞きながら手に取る彼らの作品はプロダクトを超えたエモーションそのものです。
このプラットフォームでは作者という人にフォーカスをすること、そして商業的なブランドネームという「額縁」ではなく、その作品自身の魅力を可能な限り温度を下げることなく伝えるという使命を持ち続けていきます。